小谷医院

先日、日頃お世話になっている方から聞いたお話です。
ある日、車を運転していると、後ろにぴったりとくっついて走行する車がいることに気付き、しばらくそのままにしていたそうですが、一向に離れる気配がなく、おやおや、どういうこと？とバックミラーに視線を向けたところ、鳥の足跡のようなエンブレムでおなじみの（別名スリーポインテッド・スター）あの高級車が後続を追随しています。しかもよくよく見たところ、２０代とおぼしきヤンヤン風なお兄さんが、笑いながらこちらに手を振っているではありませんか。
もしかして、もしかしなくても、あおられてる？
高速道路上であったとはいえ、ここでは書けないほどのスピードで離れようとしたそうですが、それでもずっと追跡は止まりません。
仕方なく車線変更したところ、今度は隣にピタリと並走し、何やらジタバタとこちらに向かって大きなアクションを仕掛けてきます。
しかし、しばらくやり過ごしても全く収まらないうえに、どうにも様子がおかしいお兄さん。意を決し、思い切って窓を開けてみたところ、聞こえてきたのが
「パンクしてっぞー！」
…そうです、左後輪がパンクしていることを教えてくれようと、必死で呼びかけていたそうなのです。
少々、いや、だいぶ誤解していたことを悟られないように苦笑しながらサッと手を挙げ「ありがとう！」と挨拶すると、高級車のお兄さんは風を切って颯爽と走り抜けて行ったそうですが…

いやいや、途中まで「ホントにあった怖い話」かと思って聞いてしまいました。
その後、パンクの補修キットで応急処置をするも、刺さっていた鋭利なネジを抜いてしまい、またぺちゃんこに。ん？どこかで聞いたお話だな？
何度か繰り返してタイヤを膨らませ、急いでタイヤ交換に向かい、ようやく復活できたのでした。

…さて問題です。この主人公は一体どなたでしょう？
正解は…
診察室でぜひお訊き下さい。